前回見逃すなと告知したゴルゴ13のアニメ版第1話は「AT PIN-HOLE!」であった。マンガ版の第1話といえば、「ビッグセイフ作戦」。これのゴルゴ登場シーンがブリーフ姿だったので、見逃すなと告知したのだが、「AT PIN-HOLE!」は文庫版でいえば「Vol.8ラオスのけし」に収録されている作品で第37話にあたる。いきなりそんなにジャンプして大丈夫なのだろうか。
さて、このエントリーでまとめておいた疑問がいくつか解けた。
1.・・・の学問
Q:「・・・」をどう表現するのか。
A:「間」で解決。ただし、この辺りの割と古い作品は原作でもゴルゴはおしゃべり。これからはどんどん台詞がなくなっていくので、一言の重みが増す。声優の舘ひろしは大変だろう。
2.30分の区切り方
Q:作品内容の密度によって1ストーリー分のページ数が数倍異なるのに、30分でどう区切るのか。
A:今回は1話完結だった。原作のシーンから減った部分も、加わった部分(最後にデイブが新聞を見る辺り)もある。
3.エンドレス
Q:2008年4月現在148巻「装甲兵SDR2」まで連載されており、いまだ継続中。アニメはいつまで続けるのか。
A:ここは心配。いきなり36話分すっとばした?
4.0.17秒の描写
Q:0.17秒で発砲するゴルゴの早撃ちはテレビアニメの一般的フレーム数12フレーム/秒=0.08秒/フレームで描写出来るのか。
A:スロー描写で解決。しかもゴルゴのライフルから放たれた弾丸がターゲットに着弾するまでを、弾丸にカメラがとりつけられたようなビューで見せてくれ、ダイナミック。
5.映倫指定
Q:銃撃シーンやベッドシーンが原作の劇画タッチのままで描かれるとしたら、映倫レーティングは指定されるのか。
A:映倫指定なし。深夜帯ということで、やっぱりベッドシーン登場。しかも女性役の声優は大した腕前。
原作との違いはこんな感じ。
1.政治的背景が皆無
ゴルゴが拘留された理由が違う。原作ではKKK団幹部暗殺容疑で拘留されていたゴルゴだが、アニメ版では単なるギャング幹部暗殺容疑だ。白人至上主義のKKK団という日本に馴染みのないものであっても、マルチリンガル化してコンテンツ輸出するとなると問題になるというマスメディア的配慮の結果だろうか。しかし、国際情勢の政治的外交的背景を抜きにしてゴルゴは語れない。いや、そんなものはゴルゴの楽しみ方を半分以上削っていることになり、面白くない。今後、この問題をどう解決していくか、テレビ東京さんには頑張ってもらいたい。
2.パソコンやケータイが登場
原作は1971年(私が生まれた年!)の作品。当然パソコンやケータイはない。アニメ版では犯人がプラスチック爆弾をケータイに詰め込んでいるシーンがある。ゴルゴへの依頼内容詳細はパソコンで説明している。こういった小道具は今の時代にあわせて変えているようだ。
3.狙撃ポイントが長い
原作は1km。アニメ版は2km。いずれにしても超人技には変わりはない。
次回は「Room No.909」。文庫版Vol.11の作品だ。これもゴルゴの射撃テクニック中心の作品なので、国際政治的観点はない。その路線でいってしまうのか。デジタル放送のデータ連動機能を使って関係情報を見せるとか、公式ページで番組とリアルタイムに参考情報をキャストするとかの工夫で、国際情勢のバイブルとも言われるゴルゴをアニメ展開して欲しい。
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