私は涙もろい。負けて悔しいとか、ケガして痛いとか、そういう自分のことでは涙は出ない。しかし、人の苦労や、その先の成功を見たり聞いたりして、その人の感情に移入すると、涙が止まらなくなることがある。
今年も早速、正月休みに2度あった。
1.箱根駅伝中継にて
往路5区上り坂の厳しい区間を走る昨年の覇者順天堂大学。一番の厳しいコースを任された2年生のランナーが極度の脱水症状と低体温症で足の痙攣が止まらない。何度も立ち上がりゴールへ向かうが、あと500メートルで棄権。
マラソンと違い駅伝には仲間がいる。タスキには歴代の先輩の汗が染み込んでいる。来年の後輩へのシード権もかかっている。今日のために仲間と練習を重ねてきて最高のパフォーマンスを発揮しなければならない。それなのに、自分の足がいうことをきかない。相当悔しかったろう。仲間と何かに必死になったことがある人なら共感し泣いてしまったはずだ。今年の箱根駅伝は3校が棄権するという波乱が起きたからなおさらだ。
2.幼稚園の落成式にて
子供二人がお世話になっている福井佼成幼稚園の落成式。ピカピカの園舎には新たに給食室が食育のために作られたり、子供の声がこだまする玄関ホールがあったりと、園長と設計士のポリシー・工夫が伝わってくる。ただ、あまりにもピカピカ過ぎてどこか味気ない。そこへ開園式で100名の園児が大きな声で園舎に歌をプレゼントした。歌が終わってみると、さっきとは違って暖かみや生気を大いに感じることが出来た。これから何十年かの間、多くの子供達が生まれて初めての集団生活をここで学ぶ。そんな場所に最初の息吹を吹きかける場面に偶然にも息子は居合わせた。「これからも何千人もの子供達が使うんだから大切に使えよ」と精一杯分かる言葉で息子に伝えた。いつの日か、私の感動が彼にも伝わる日が来ると思う。
こういう涙を子供達が見ると、不思議そうに笑っている。言葉で伝えても分からないだろうから放っておく。いつか相手のことで涙を流せる優しい思いやりのある人間になって欲しいと思う。
私も感動察知力を失わず、
感動を与えられる人間になりたいと思う。
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