ゴルゴ13の黒い文庫版が売れまくっている。私も2005年から何気なく暇潰しにキオスクで1冊買ってみたところから、ゴルゴの虜になってしまった。
そして遂に今日、今のところ発刊されている文庫版全87巻を読みきった。だが、87巻目はまだ1990年代のストーリーであり、本家のデラックス版では最新141巻となっていることから、今後もデラックス版に追いつくまでは、これまで通り月に2巻づつ発刊されていくに違いない。
この文庫版は相当な読者がいるようで、東京でも福井でも駅でも書店でもコンビニでも買い求めることができる。デラックス版とは異なり、巻末に「THEゴルゴ学(小学館)」監督の杉森昌武氏による解説付だから、より楽しめるのだ。
ゴルゴ13を、単純な殺し屋アクション劇画漫画と認識している方々が多いが、それは大きな間違いである。1968年に発表されたこの作品は、さいとうたかを氏率いる、さいとうプロダクションが、500話近くものノンフィクションを交えたフィクションである。超一流のスナイパーであるデューク東郷が、米国大統領や尼僧にいたる幅広い依頼者からの依頼に対し、超一流のテクニックで任務を遂行していく。そして、その舞台は、天安門事件・ベルリンの壁崩壊などの現代史の各マイルストーンばかりなのだ。
身元不明のゴルゴは、いくつかの作品のなかで誕生説が紹介され、ロシアのラスプーチンの孫とも、二・二六事件生き残り将校の息子とも諸説あり、謎めいている。誰が名付けたかデューク東郷の裏社会でのニックネームが「ゴルゴ13」である。イエス・キリストが磔刑されたゴルゴダの丘と、中世欧州で十字軍が一斉に虐殺された10月13日金曜日の二つの事実から名付けられたという。まさに不吉な名前なのである。ゴルゴの依頼成功率は100%で、尻尾を掴まれる失敗も一度も冒したことがない。プロであり続けるための条件は、
10%の才能
20%の努力
30%の運
40%の臆病さ
が必要と言い、自分を過信することなく、他人を信用することもない。ここまでクールになると仕事にならないが、プロとしてのゴルゴの哲学から学ぶことも多々あった。
何かの分野でプロフェッショナルを目指す、知的好奇心旺盛なビジネスマンにぜひともお薦めしたい作品である。
また、さいとうプロダクションには、これからも秀逸な作品を輩出し続けてくれることを願ってやまない。
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