完全マニュアル:JRCA公認リバーカヤックシニア指導員、合格必勝法

流れのある川で初心者の方に安心してカヤックを楽しめるよう、指導員の資格を取りました。幸い一発合格しましたが、ネットで探してもあまり情報がなくて面食らったので、これから目指す方のために書いておく。

会場は奈良県吉野川芝崎の瀬、水量少なくてイージーと思ったのだが。。。

僕のカヤック歴と取得の背景

カヤック歴は30年、カヌーポロをきっかけにスラロームをメインに最初7年間頑張っていました。カヤック、カナディアン、カナディアンペア。その後は年に数回、川で遊ぶとかカヌーポロで遊ぶくらいで、人に教えることが増えたのはここ2年くらい。県のイベントとかに駆り出されてボランティアで教えていたところ、子供たちが随分楽しんでくれ、もっと上手くなりたいという声を聞くようになったところへ、九頭竜川パドリングセンターのインストラクターとしてお招きいただきました。そこで、安心して楽しんでいただけるよう勉強を始めたところ、この資格に辿り着いたのでした。JRCAという団体や、資格の詳細はこちら参照。

どんな試験か?

1日目講習、2日目試験という日程でした。

1.筆記試験

3種類あって、面食らったのは作文。先生からは○×問題だよーって聞いてたし、ボールペンしかないし、久しぶりの肉筆だし、焦った。
用語:川の図を見てアンダーカットなどの専門用語を答える。僕はピニングロックがどうしても思い出せず、岩壁と答えてダメでした笑
正否:文章に対し○×で答える。引っ掛け問題ないよ、と先生は言ってたものの、引っ掛け多いので問題をよく読みましょう。
作文:お題「安心して楽しめました」と生徒さんに言ってもらえるイベントにするため、あなたは指導員として何をしますか?という作文。

作文は力作だったので、答案回収の前に写真撮っておいた。10点満点!

2.実技試験

6種類あって、どれも専門的。漕ぐのは自信あったけど、指導員として分かりやすく大きな動作で示すとか、バリバリ漕げるだけじゃダメ。トークもポイントが抜けていると減点ということで、1日目の夜は3時間睡眠で詰め込んだ。近隣観光なんて全く余裕なかったよ。。。

2-1.ロープワーク

ドレッシング=結び目を揃え強度を上げる
①二重8の字結び
②巻き結び
③もやい結び
④てぐす結び

2-2.セーフティトーク

①挨拶、自己紹介
②目的と時間割
③水域と水量とリスク(多いと沈、少ないと岩ぶつかる)
④気温と水温とリスク(熱中症、低体温症)
⑤天気の変化とリスク(風、雨、雷、雪、ダム放水)
⑥コミュニケーションルール(ホイッスル、パドルサイン、ハンドサイン)

2-3.装備チェック

ヘルメット:沈した時に頭を守る。カヌー用の水抜けよく頑丈なもの。耳下からあご紐になるよう、指1~2本。おでこ出ないよう。
ライフジャケット:沈脱した時に頭を出すくらいの浮力。防御。保温。胸に掌が入るくらいの締め具合。
スプレースカート:カヤックに水が入らないよう。コーミング後ろから前へはめる。グラブループを出す。
ウェア:水温と気温に合わせて。インナーはネオプレンやウールが保温力高い。
シューズ:岩場を歩く際の保護。泳いでも簡単に脱げない。
スポンジ:水を抜く
ドリンク:水を飲む

カヤック:フィッティングを合わせる。つま先、膝、腰。ドレインが閉まっているか。
パドル:長さとブレード角が体格に合っているか

以下は指導員としての装備。
時計:イベント時間が分かるように
カウテール:カヤックを牽引する。カラビナは下向けにすると不測に外れにくい
ホイッスル:鳴るか確認。手が届く場所に下げる
リバーナイフ:牽引ロープが岩に挟まった時など障害を切り抜ける時
スローロープ:レスキュー時に投げる、端は結ばない、収納は肩にかけて少しずつ詰める

2-4.静水パドリング

乗る:バウを上流、パドルを後ろ手、中心に体重、コーミングを押さえて両足を入れ、腰を沈め、スプレー
降りる:バウを上流、パドルを後ろ手、スプレー外し、コーミングを押さえて腰を浮かし、足を抜く

フォワード:視線は舳先でなく進行方向の先に、しっかり前からキャッチ、引かずに押す、ローリングしない
リバース:ブレード裏面でキャッチ、数ストロークごとに後方確認、瀬の手前で様子を見る時に使える
リーニング:カヤックを膝で持ち上げ傾けをキープ
スウィープ:先行動作で曲がる方向へ視線を置き身体を捻る。パドルを寝かせ遠くを半円漕ぎ
リバーススウィープ:同上
ドロー:パドルを真横に入れ沈めながらブレードに身体を引き寄せる、パドルを抜いて再びストローク
スカーリング:常に水をキャッチしながら

リーンターン:フォワードしてからリーニングだけでターン、ボトムエッジを使う
バウラダー:スイープできっかけ、手首を返してキャッチし続ける

ローブレイス:ブレード裏面、腰の切り返し
ハイブレイス:ブレード表面、腰の切り返し、脇を締め、ひじは両肩ライン以下で
ロール:右も左も出来ること、岩などに張り付いて沈した時のため

2-5.流れパドリング

ストリームイン:リーン、ローブレイス、バウラダー
エディイン:スウィープ、バウラダー
フェリーグライド:流れに対する角度、リーン、波を読む
タイムアタック:先生のタイムにどの位近づけるか、全体90秒程度

2-6.レスキュー

セルフレスキュー:前かがみで身を守る、ロール、脱艇、ディフェンススイムで流れる、緩やかな流れでカヤック起こす、パドル入れる、カヤックのグラブロープ掴んで泳ぐ
ディフェンススイム:下流に向けて両足を上げ、両手を広げてバランス、岩を蹴りながら
アグレッシブスイム:クロールでエディや岸を積極的に目指す

牽引レスキュー:声をかけて相手の状態を確認しながらカヤック起こす、パドル入れる、カウテールつなぐ、相手は相手のカヤックに掴まる、フェリーで安全なエディや岸へ
ロープレスキュー:「ロープ」と叫び相手とアイコンタクト、踏ん張れるようギリギリに立たない、相手の少し下流で遠くまで投げ、相手が掴んだら肩に担がせ仰向けに、振り子の要領でエディまでリード

さて、結果は?

筆記と実技、それぞれ80点以上合格のところ、92+95=187点で見事合格!合わせて5名の方が受験し、僕を含め3名のみ合格でした。印象としては、しっかりシビアに採点されてた感じ。以下、僕の試験課題箇所。2日間教えて頂いた間永先生、ありがとうございました。
ロープワーク:二重8の字のドレッシングが甘かった。
セルフレスキュー:口述説明で、WWFP(White Water Floating Position:川で流される基本姿勢)がすっかり抜けた。
流れパドリング:フェリーグライドで角度が付き過ぎた
タイムアタック:とろ場でラインを間違え、先生より1秒遅かった

合格証

これから

2023年9月に消防署の普通救急救命講習を受講して、正式に公認指導員として個人登録する予定。
九頭竜川パドリングセンターはJRCA認定のスクールではないため、公認指導員を語っての指導は出来ないけど、生徒さんには安心して楽しんでもらえるよう、これからも学習を続けます。

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