NIRO Q:をモニターレビュー中です。私は2年前よりリビングにONKYO(オンキョー)社の7.1chサラウンド環境を組んであり、ハイビジョン映画やミュージックライブDVD、Wiiをサラウンドで楽しんでいます。「臨場感溢れる音が感情の80%を決める」とは、niro1.com社の中道社長の言葉。よく分かります。
薄型テレビのスピーカーとQ:を比較したら圧倒的にQ:の勝利なのはモニターブロガー仲間のレビューをご覧頂くと分かってもらえると思います。私は、ONKYOサラウンド環境との比較をしてみたいと思います。リビングの接続環境はこんな感じです。
アンプ:ONKYO TX-SA503(N)
サイドスピーカー:ONKYO D-057F(D)
センタスピーカー:ONKYO D-057C(D)
サラウンドスピーカー:ONKYO D-057M(D) × 4本
サブウーハー:ONKYO SL-057(D)
では、早速比較してみます。
1.価格、Q:の勝利
ONKYOのこのセットはサラウンド環境としてはエントリーモデルです。とはいうものの、出力をもっと高くしたところでそんなに大音量では聴けませんし、再現音域をさらに広くすると値段が跳ね上がる。2年前の当時としてはそこそこ満足いくチョイスを懸命にしたつもりです。これで購入価格は103,700円でした。サラウンドスピーカーの天井付けキット込みの価格です。かなり量販店と交渉した結果です。これに対しQ:は88,000円。まずはQ:の1勝。
ただし、本日近所の量販店に行ってみましたが、5.1chサラウンドのセットもの価格は3~5万円のものもあり。サウンドは私は全く満足出来ませんでしたが、現時点で値段だけでチョイスするにはQ:は高い印象は否めません。
2.試用できることの優位、Q:の勝利
Q:に出会うまでONKYOのサウンドで満足していましたが、Q:を試してみると音がハッキリしているのです。サウンドの良し悪しをカタログスペックで判断することは難しいのですが、参考になる数値はいくつかあり、私は次の3つを参考にします。
(1)S/N比
信号(Signal)と雑音(Noise)の比率で、音源(DVDなど)の信号に対して雑音がどれだけ混ざるか。この値が大きい方がより音源の再現力があるということです。ONKYOは100dBとかなり高い。さすが老舗のオーディオメーカーです。Q:は公表されておらず。公表されていないのは戦略なのでしょうか?試用モニターが出来るので聴いてみればよいわけですが、カタログスペックでまずは選択肢を絞るユーザもいると思いますから、公表すればいいと思うのですが。特に「ネット販売」が主なQ:なのですから。
(2)周波数範囲
人間の耳は20Hz~20kHzの音を認識できるらしいので、これに近い範囲の出力が出来るスピーカーかどうか。ONKYOは45Hz~100kHzとまずまず。Q:は残念ながら公表されていません。
(3)出力
音の大きさ、パワーを決めます。一般家庭のリビングで聴くには20w(ワット)もあれば十分と思ってますので、あまり気にしてません。野外ライブをする時は音が拡散するので大容量が必要。300wのギターアンプなんかでギュインギュインやると気持ちいいですよ。話がそれました。ONKYOは100w、Q:は27w。4倍の差があるわけですが、フルボリュームにすることなんてないので、問題にならないです。
というカタログスペックを見ても、音質の判断には実はあまりあてにならない。梯子下ろすようですみません。同じアンプ、同じスピーカーを使っても、サウンドは聴く環境によって全く異なります。壁や天井の音の反射、ソファーなどへの音の吸収(物理的に言うと、音波の振動エネルギーが物質への熱エネルギーへ変換されること)、それと聴く人間の耳や体調。要するに聴いてみないと分からないのです。
ONKYOサラウンドは何度も量販店へ行って聴いて決めました。Q:は最初から自分が聴く環境へ持ち込んで試すことが出来ます。これは大きな違いです。ということでQ:に軍配で2勝。
3.音質、Q:の勝利
最初に聴いて一番驚いたのが「音がハッキリしている」ということ。この言葉、9歳の娘がこの言葉で教えてくれました。私にもそう聴こえます。これ、すごく文章では表現しづらいのですが、そうなのです。生ビールと発泡酒の違いといいましょうか、音の粒がハッキリしているのですね。特に5.1chのdts音源(前回のレビュー参照)で、自然界の音を聴くとハッキリ分かります。雨の音、風の音、そういうのがリアルにかなり近いと思います。分解能が高いということです。分解能というのは、音の周波数と音量の二次元をどれだけ細かく区切って表現出来るかということ。画像に例えれば、同じ大きさの写真を30万画素で見るのと300万画素で印刷したら違いは明らかだというのは感覚的に分かりますよね。そういうことで、Q:がぶっちぎりの3勝。
4.サラウンド感、引き分け
音の広がり具合、というかその空間にいるように感じる具合、をサラウンド感とするなら、この勝負は難しいです。というのも、ONKYO環境はスピーカー設置位置を角度を測って三角関数で距離求めてキッチリ天井付したもの。だから、ベストなリスニングポジションではONKYOの方がサラウンド感がある。ただし少しでもずれるとスピーカーの位置を感じてしまう。スピーカーの位置を感じるというのは「空間にいるようには感じれない」ということであり、「不自然」なことなのですね。スピーカーとの距離で微妙に変わる音量を人間の耳は繊細にキャッチしてしまうということです。その点、Q:はセンタースピーカーだけ。首を大きく横に倒しても、座る位置を変えても、同じように聴こえます。だから、複数プレイヤーのゲームをすると盛りあがりますよ。ということで、ONKYOにもQにも良し悪しがあり、この勝負は引き分け。
5.設置のしやすさ、Q:の勝利
これは2回目のレビューエントリーをご覧ください。Q:は設置が10倍カンタンです。
6.操作性、ONKYOの勝利
Q:はサウンド入力だけのアンプですが、ONKYOはAVセンターといって映像入力も出来るアンプです。スピーカーから映像を出すわけではないので、テレビへのバイパスをするだけなのですが、アンプの入力選択で映像も音声も一発で切り替わるのがAVセンターの大きな特徴です。Q:はリモコンで頑張っていてQ:のリモコンだけで音声と映像の入力を変えれますがそれでも2タッチ。だからといってQ:のリモコンだけでデジタル放送が楽しめるかというと、最近はデータ連動放送とかありますから、そこまで高機能なリモコンでもない。このため、操作性ではAVセンターのONKYOの勝利。ただ、お使いのテレビによっては、入力をテレビに集めて、音声を光出力だけでQ:に入れれば、テレビのリモコンだけでほとんどの操作が出来ると思います。
リモコンがすごく増えてしまいます。。。左からテレビ、ONKYOアンプ、NIROアンプ、DVD、Wii。
リモコン1つに出来るインテリジエントリモコンが欲しくなってきたぞ。これがあればカミサンにも受け入れてもらえるかも。Logitech社のものはNIROにも対応しているらしい。 でも29,000円か。。。高い。。。
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ということで、私の勝手なる判断材料での勝負は、Q:の4勝1敗1分!!これまでサラウンド環境がある人にとっても検討の余地ありといった感想です。
ところで、Q:はネット直販とビックカメラでのみ販売しているわけですが、地方のリビングの方が広くてこういうものを楽しみたいと思う人多いと思うのですよね。地方にはあまりビックカメラがないので残念。Nakamichiブランドだった時の販路を使って、オートバックスとかのカー用品屋で売るというのもありかも。カー用品買う人とサラウンド環境を買う人の購買層はピッタリ合うと思いますがどうでしょうか。
■ハイビジョンTV5.1chスピーカー Q: NIRO
■QBLACK・NIRO・ハイビジョンTV 5.1chスピーカー Q:(ブラック) :ビックカメラ.com
次回はサラウンドで楽しむゲームについて書きたいと思います。
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コメント
うちのONKYO V20Xと比較した時、音の細かさ(分解能?)はV20Xのほうがはるかに上でした。Qだと複数の音がミックスされてしまっているような、少し曇ったような音に聞こえます。
同じONKYOでもモデルが違うと、という話なのか耳の違いなのかはわかりませんが。
ご参考まで。