当たり前行動は阪神を優勝させる


「周りは『星野の改革や、改革や』っていってくれるけど、考えてみたら特別なことをやってきたんでもなんでもない。本の中身を読んでもらったらわかるけれど、あたりまえのことをあたりまえにやってきただけなんや。誰が考えてもやらなくてはいけないこと、誰が見てもやらなくてはならないこと、あたりまえのことをあたりまえにやってきただけなんや。ただし、本気で────。」
(文藝春秋:星野仙一氏著:2005.4.10発刊 「シンプル・リーダー論」のプロローグより抜粋)

2003年9月15日に監督就任後たったの647日で阪神タイガースをリーグ優勝に導いた、星野氏の言葉である。本屋でたまたまこの本を手に取り、プロローグのこの言葉を見ただけで胸に熱いものがこみあげ、少し涙腺がゆるんでしまった(少しどころかボロボロと)。

「当たり前の徹底」行動が出来ているだろうか。胸を張ってYesと答えられるだろうか。エンジニアは「見習い」として先輩の当たり前行動を「見」て「習」っているだろうか。まずはこの問いを自分の胸の中で考えてみて欲しい。必ずや「当たり前行動は具体的には何だったか」ということを少しは疑問に思い、自分の行動に自信がなくなるのではないか。

では、「当たり前の徹底」行動とは何であろうか。これは阪神だからとかリーダだからとか課長だからとか新人だからとかでセグメントされるものではない。いたってシンプルなものである。星野氏は(彼には文才はどうやらないのだが、私が彼の信念を私なりの表現にすると)次のように表している。

「社会的な責任範囲を自覚し、自分の言動に覚悟を持つこと」

言葉を短くするために難しめの表現を用いたが、要するに「関係しているお客様・上司・後輩・家族そして社会から何を期待されているかを理解し、それに応えようと必死で頑張ること」だと思う。

-監督なら夢を持って応援してくれるファンに応えて、チームを優勝に導く。
-経営者なら社員(もっと言えばヒト・モノ・カネ)をフル回転させ仕事を通じて成長させ、優秀な社員をお客様の夢の実現に力を貸し、結果としてお客様より対価を頂き、その対価を社員への生活の糧として給与を支払う。
-リーダなら対峙しているプロジェクトを計画にあわせて進捗させ、計画からずれたら上司へのホウレンソウと必要なリソースの割り出しをする。
-新人なら早く仕事を覚え、少しでも先輩が楽になって先輩が上の仕事をできるようにすることと、新しいDNAとして元気活発に職場で振舞う。

それぞれの立場で具体的な行動は変わってくるものの、共通する点は枠内の言葉に尽きると思う。