自分好みのコーヒー探し


ふと湧いた疑問。男はコーヒーにこだわるべきか。

コーヒー。これまで特にこだわりなくインスタントだろうがレギュラーだろうが飲んできた飲み物であった。そのくらいの知識と思い入れしか持ち合わせていなかった。しかし、東京に事務所のような仮住まいを持ち、もしかしたらお客様とも急にここで打ち合わせするかも知れないとなると、むさくるしい部屋にひとつは豊かな気持ちになれるものが欲しくなった。それがコーヒーである。

そうなるとコーヒーグッズが欲しくなる。とりあえず素人なのでメーカーは電気製でドリップのみできるものを購入。なんと1,480円。日用品などここのところ10年間買ったことなかったのだが素晴らしく安い。泉精機製。豆は自分でミルすることにしてカリタの丸型手動ミル機、4,200円、ちと高め。フィルターにフィルター置き、ステンのマグカップと豆の密封容器、ここまで揃えて豆を選びにいった。

福井自宅のおとなりにコーヒー豆専門店「大和屋」がある。30種類くらいの豆がおいてあった。お店のやさしい女性と会話しながら豆を選んだ。何でも最初はシンプルに限る。ウィスキーも最初はシングルモルトから。コーヒーも最初はシングルビーン(っていうのかな)からだと思う。その方がそれぞれの味わいを知ることができる。ブレンドにしたら面白くない。ブラジルならブラジルのジリジリした暑さに思いを馳せいただくのだ。

こういった「シングル」の飲み方や食べ方、楽しみ方というのは和食っぽい考え方だと思う。どんなジャンルの料理でも素材が大事というけれど、和食ほど素材にこだわった食し方をする料理法はないと思う。例えば「ごはん」。米と水だけである。素晴らしいではないか。

さて本題に戻ろう。いろいろ調べてみるとコーヒーは大変な手間のかかる飲み物であることがわかった。農家の方が栽培し手摘みし乾燥させる。マイスターが豆それぞれの特徴を引き出すべく焙煎させる。ここまでで味の8割が決まるという。その豆を少しずつゆっくりと私がミルし、熱いお湯でドリップし、ようやく口に入る。このため味を決める要素の幅が恐ろしく広い。

1.豆(気候、畑、乾燥時間、保管の仕方による酸化具合)
2.焙煎(温度、時間、火の種類)
3.ミル(粒度、やすり?の目の粗さ、挽くスピード)
4.ドリップ(お湯の温度、注ぐスピード、むらし時間、抽出時間、フィルター)

恐らく誰一人として同じ味のコーヒーは二度と飲めない。論理的にはあり得ないのだ。あらゆる人の情熱が宿り一杯のコーヒーになり、そしてもう二度と同じ味のコーヒーには出会えない。この世で唯一無二のものになるのだ。何とも切なくそれだけに目の前に置かれたコーヒーに愛着が湧く。

おいしいコーヒーにめぐり逢いたい。それは銀河に光る星のひとつを見つけるようなものかも知れない。だとすればコーヒーにこだわるというのは、男の心に眠る冒険心を激しく揺さ振ることなのかも知れない。誰もが見つけたことのないもの、人が見たらつまらないと思うが自分の価値観では最上のもの、そういうものを探す長い長い答えのない旅、それがコーヒーにこだわるということなのだ。そして冒険心というのは本来的な人間の機能として男女の役割分担として、男の方が強いものなのだ。

▼今回の結論

男はコーヒーにこだわり、本来持ち合わせている冒険心を逞しくすべきである。

ちなみに、今回の研究によりコーヒーとはアメリカの飲み物ではなく、かつてエジプトまたはアラブあたりで6世紀には発見されていた飲み物であることがわかった。正確にはその当時は赤い実を薬として服用していたのだという。今日にいたりコーヒーはエスプレッソ系(カプチーノやマキアート)がブームとなり、一人当たりの消費量が多いのはヨーロッパだという。医学の世界ではコーヒー常飲者は発ガン確率が4分の1になるという(原因不明で研究中)。いやはや時代を超えた素晴らしい飲み物である。古今東西の万人が魅了されるのも無理はない。