プロはファンを感動させるためにあり「遊戯空間公演『夜叉ヶ池』」


東京都府中市のショットバー「アメリカン」にて独りでカウンターでクールダウンしていた時、たまたま隣り合わせた俳優の原田務氏に誘われ、生まれて初めて演劇というものを鑑賞しに行った。

夜叉ヶ池
原作:泉鏡花
演出:篠本賢一
公演:遊戯空間
場所:銀座みゆき館劇場
とき:2007年11月28日(水)~12月2日(日)

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演劇に縁がなく、原田氏に逢ったその時も全く興味はなかったのだが、たまたまアメリカンで見つけた「夜叉ヶ池」というタイトルに魅かれた。何しろこの池は福井県に今も実在する池である。三国岳という南条郡の山頂付近にある原生林に抱かれた神秘的な池で、秋の紅葉は息を飲む美しさだ。ヤシャゲンゴロウという昆虫が世界で唯一この池にだけ生息している。 そんな私が好きな夜叉ヶ池をテーマにしている作品に、たまたま好きなバーで、この秋の季節だけしか飲めないフレッシュざくろジュースで作るカクテル「ジャックローズ」を、たまたま隣にいた原田氏も好きで、その原田氏が演じているという。こんな不思議な縁だったので、鑑賞することにしたのだ。

拝見させて頂き、感じたことは以下の通り。

1.イメージできる
役者の演技と台詞でその場をイメージできる。舞台装置が簡素だからこそ頭の中ではイメージで補おうとするのだろう。そのイメージは人それぞれだろうが、私には以下の風景をイメージできた。
 (1)故郷の国見岳に沈む夕陽
 (2)何の人工光もないところで眺めた星空と満月
 (3)鏡のように静まり返った夜叉ケ池
 (4)青々しいブナ樹林
 (5)3年前の集中豪雨による洪水

2.役者は声が大きい
すごい声量だ。ノーマイクでも耳がジンジンする。

3.役者は視線が活きている
100人ほどのオーディエンスに向ったら、私は職業上目を見てしまう。もちろんながら演じている役者は観客の目は見ない。これは相当訓練しないと矯正できないだろう。そしてその視線は力強い。

4.芸能の道は厳しい。。。
チケット1枚3,800円×100名×8公演≒300万円。満員御礼でもこのくらいだろう。劇場借費用や衣装代などが差し引かれて利益。ただ、出演者15名ほど2ヶ月も稽古して公演したそうなので一人当たり5万円/月もないということだ。一体どんなビジネスモデルなのだろう?やはり芸能の道というのは相当厳しいということが理解できた。

5.終演時刻が分からない。。。
劇場に行って初めて分かったのだが、約2時間の公演だった。19時ということは分かっていたが、何時に終わるかはサイトを見ても分からなかった。もちろん、2時間という時間を忘れるほど楽しめたのだが、終演時刻もフライヤーやサイトで紹介してくれると良いのだが。何か理由があるのだろうか。。。

ということで、初めての演劇鑑賞は大変楽しめて刺激になった。よい入口の機会を作ってくれた原田氏に感謝している。彼らは演劇のプロ、私はITのプロ。どの世界にもプロにはファンがいる。プロはファンに感動を届けねばならない。私もITを通じて感動をお客様に届けられるよう、研鑚を続けたいと思う。