酒は肴を美味くする~越前銘酒 白岳仙~


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お酒の中でも1番好きなのは日本酒だ。日本酒の中でも純米酒の冷酒がいい。季節感溢れる旨い肴と一緒に呑む。
 
日本酒は料理の邪魔をしない。むしろ、相乗効果のハーモニーがある。そんな酒種は稀だ。ビールは油っこいものと合うが、ハーモニーというよりも口内をさっぱりさせる効果で相性が良いと感じるのだろう。モルトやラム等の蒸留酒は食事には合わない。ワインは洋食には合うので、日本酒に近いと思う。ちなみに、モルトにはナッツやジャーキーといった乾き物をつまみにすることが多いと思うが、色々試した結果、ほうれん草のお浸しで醤油の代わりに塩だけで味付けしたものが意外にも合う。モルトファンはお試しあれ。
 
さて、日本酒の好きな銘柄は、福井地酒の白岳仙(はくがくせん)で、山田錦十六号を酒米にした純米吟醸酒が日本一だと思う。出身が福井だから地元の地酒が肌に合うのかも知れないが、この白岳仙との出会いは、東京都府中市のいきつけ居酒屋いごっそだった。いごっそのヒデは勉強熱心であちこちの日本酒を紹介してくれる。かれこれ10年以上の付き合いになるので、私の好きな酒の味も彼とは共有している。
 

1.飲み口はサラサラとして、べたつかないこと
2.米や麹の香りが豊かであること
3.しっかりした味わいがあること
4.フィニッシュが長いこと

 
以上が、私が美味いと感じる日本酒だ。ヒデがこの条件に合う日本酒を探してくれて出逢ったのが白岳仙というわけである。純米吟醸酒にも数種類あり、酒米に山田錦十六号を使ったものや、奥越五百万石を使ったものがある。私は味のしっかりした山田錦が好きだ。五百万石は香りは華やかだが、フィニッシュが短い。白岳仙のすごいところは、酒米しか違わないのに、味わいの違いがしっかり表現できていることだと思う。つまり、酒米のポテンシャルを十分に引き出す丁寧な仕込みをしているからに他ならないと思う。
 
この白岳仙は、福井県福井市東郷地区の安本酒造で仕込まれている銘柄である。この地区の上流には一乗谷という戦国時代には朝倉氏が居城していた山城跡がある。また、剣豪の佐々木小次郎が、かの「燕返し」をあみだしたという一乗滝もある。足羽川というダム治水がなされていない自然な川もある。こういう歴史ある水の美味い環境で仕込んでいるのだ。福井に来たらぜひ酒蔵に立ち寄ってもらいたい。おかみさんがまたいい人で、ほんわかする。
 
小さな酒蔵だし、杜氏がこれほど気合いを入れて仕込んでいるので、生産量は少ない。2006年は12月にはほとんど在庫がなかったという。おいしいものは皆が好き。皆に呑んでもらいたい。しかし、味が落ちるくらいならこのままの生産量で頑張ってもらいたい。福井の自慢であり続けられるよう、これからも呑み続けたいと思う。